テスラ モデル3LRを3年乗ってみての急速充電に関する正直レビュー

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テスラは遠出でも充電には問題がないとで言われていますが、実際私が3年間乗ってみて自宅充電があるにもかかわらず遠出したときには充電に関する不満がありました。また、よく充電に関して聞かれましたので乗ってみての感想も交えて書いています。これから購入を検討されている方の参考になればと思います。

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テスラ車の充電に関しての一番の不満

まず、私のCHAdeMOアダプターが故障(高温エラー)しているという前提の話になります(私は出先でCHAdeMOアダプターが壊れました。)が、仕事、旅行等で出先に到着します。そこでスーパーチャージャーが現地にないと到着後すぐに行動ができないと言うことです。出先で到着後すぐに行動したい場合は事前にスーパーチャージャーに寄ることも必要になり、また、スーパーチャージャーがある場所によりますが、遠回りしなければならないこともありますので時間は計算しないといけません。

よく出先で普通充電で充電すればよいと言っている方がおられますが、普通充電は現地に到着してすぐに行動ができないのと、私の場合は現地で普通充電がちょっと遠い別の箇所でありCHAdeMOは2個所(1基ずつ)しかない、一番近いスーパーチャージャーまで約100kmとこんなところに通うはめになったパターンが稀にありました。

現地での行動、帰りの分を考えて行きの途中のスーパーチャージャーで90%以上充電しますが、到着時で冬は60~65%になりセントリーモード(長期滞在の場合は充電量が一日で5%など普通に減るので実際はほぼ使用できない。)や乗車前のエアコン、放電、買い物、観光、仕事などで利用することを考えると帰りの分は40%を確保したいのでほとんど現地では行動できません。

CHAdeMOは空いているのか運要素があり、また、CHAdeMOアダプターが壊れていていますので出先で急速充電することは極力避けたいです。

過去にどうしても充電しなければならなくなりそのために高速に乗って夜中にスーパーチャージャーに充電しに行きそれから現地に戻ったりビジターで故障したCHAdeMOアダプターで19kW(2,310円)で充電したこともありました。9kWh充電できたとしても夏冬以外では54km分しか充電できません。これでは足りないでしょうから2回充電しても約108km分充電するのに4,620円かかります。どうしても出先で移動がある場合は元も子もないですがレンタカーすることもありました。

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テスラの急速充電方法

テスラで急速充電する方法は日本では2種類あります。いわゆるNACSタイプ(執筆時はスーパーチャージャーとFlash)と日本独自規格のCHAdeMOです。

NACSタイプの急速充電器

これはテスラスーパーチャージャーやFlashのNACSタイプの充電器です。充電速度も早く短時間で充電することが出来ます。

スーパーチャージャーは早いが単価が高くPHEV車とほぼ変わらないかもしれません。テスラ車=安く運用できると思っている人には意外に使うことはあまりないです。

Flashの急速充電器はスーパーチャージャーと同じような充電スピードで単価が1kWh44円とスーパーチャージャーに比べたら半額とは言いませんがそれに近い金額で充電することが出来ますが設置数が少ないです。

CHAdeMOタイプの急速充電器

CHAdeMOアダプターで充電すると最大50kW(実際は少し減ります。)で充電できます。CHAdeMOは1回30分ですのでだいたい夏冬以外で約120km分走行できる充電量です。

CHAdeMOでテスラ車を充電するときにはCHAdeMOアダプターというものがテスラから販売されていますが、これがなんと現在では12万ほどするようです。しかも執筆時では在庫がなく販売停止しているようです。新車で買ってもCHAdeMOアダプターが買えないとの情報もありますしどこでも車の私としましてはCHAdeMOアダプターがないなんて考えられません。

日本では海外と違いCHAdeMOタイプの急速充電器がメインで設置されています。このタイプは世界から見たらガラパゴスタイプでまた、家電やスマホと同じ道を自ら歩んでいます。

日本では元からEVは受け入れられない傾向とスーパーチャージャーの少なさもありテスラ自体もリセールがかなり悪いですが、テスラ以外のCHAdeMO車もこのことにより輸出が難しいことを考えればリセールにも影響されていることが考えられます。

つい最近車検前に一括査定してみました。購入時の1/2以下の値付になり、なおかつ補助金返金を考えると1/3以下になるのではないのでしょうか。今まで買った車の中で一番リセールが悪いです。

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CHAdeMOアダプターは壊れやすい

CHAdeMOアダプターは一度高温エラーが出ると充電速度が19kWに制限されます。一度でもこのエラーが出たらもう終了です。徐々に高温エラーが頻発していきます。修理は出来ませんので交換しか対応されません。数回使ってエラーが出たとの情報もネットにたくさんあります。
※現在、50kW以上のCHAdeMOアダプターの販売の話が出ていますが、かなり高額になるでしょうし、また、高温エラーで壊れる可能性もあるのでよくよく考えて購入するようにしたほうが良いです。

私は自宅充電メインですが出先では夜間しか基本的に充電しないので何とか2年目までは正常に充電出来ていましたが、一度夏の日中に充電してしまったことで高温エラーが出ました。それからというもの極寒以外は使い物にならず、今では-5度でも高温エラーが出ます。

こうなると行けるところはスーパーチャージャー、Flashがあるところに限定されます。また、CHAdeMOは1基しか設置していないところが多いのでバッティングすると1台ごとに30分待ちが加算され、連続充電するにしても並んでいたらまた並びなおして30分待って30分充電することになります。これが2台並んでたとしたら…。

CHAdeMOアダプターはいつ壊れるか分かりません。私のように出先で壊れてしまう可能性もありますのでCHAdeMOアダプターがない前提で行動した方が良いです。CHAdeMOがあるからここに旅行しようなんて考えたら最悪な家族旅行になるかもしれません。

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CHAdeMO充電器にも難がある

CHAdeMO充電器ですんなり充電できればよいのですが、操作も充電器メーカーそれぞれでビジターとなるとさらに面倒です。また、充電しないと実際の出力がわからないことが多々ありました。例えば夏などは出力の制限(100A)されてしまうことや蓄電池型ですと10分ぐらい待たないと回復しませんので前の方の終了時間を知らずに充電してしまうと出力が制限されます。また、告知もない場合がありやってみないと分からない充電器もあります。(私は告知している充電器はあまり見たことがありません。)

制限された充電器で充電すると夏冬以外で6km/kWhとしますとだいたい約100km分(CHAdeMOアダプター故障時は約54km分)しか充電されません。それでも同じ金額になります。さらに2回連続もできるにはできますが、休日等は利用する方が多いので連続充電するときは周りを確認してないとなりません。私は最大4台待ちの経験がありました…。さすがに充電しませんでした。
また、メーカーの充電器(日産、トヨタなど)で充電するのもなんとなく気が引けて営業が出て来てしまうのもいちいち面倒ですし、店内に誘導されお茶を出されてもご迷惑になるのでほぼ利用しませんでした。

CHAdeMOは途中で止まっても充電器によっては全額請求されますし、CHAdeMOは車両側、充電器側で何かしらの影響で普通に充電できることが少ない印象です。しかも入れた容量ではなく時間で請求ですのでこれも結構ストレスに感じます。そしてなにより放置車両の多さ。CHAdeMOは放置しても加算されないのでそのままにする方が多い印象です。また、スーパーチャージャーでも挿さないで放置する方もおられます。常識がない方が多いのも充電するだけで疲れます。

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NACSで充電したい場合は高速を一度降りないといけない

高速ではNACSタイプの充電器はありません。よってNACSで充電したい場合は一度高速を降りなければ充電することができません。したがってその分高速代がかさみます。現在、どこでも一旦降りれて充電して戻れる話も上がっているようですが、なんせ日本ですのでいつできるのかなんて分かりません。

高速道路上ではほとんどe-Mobility Poweが運営しています。e-Mobility Poweで充電するときは基本的に月額がかかる会員にならないといけませんが、テスラに乗っている人で会員になっている方は少ないのではないのかと思います。よってビジター(会員なし)の高額料金で充電するとことになります。

CHAdeMOアダプターが壊れてしまった場合は19kWで充電することになりますが、30分制限がありますので例えば9kWh充電できて1kW夏冬以外の電費を6km/kWhとすると54km分しか充電できません。冬は絶望です。

また、CHAdeMOアダプターが故障、会員ではない方、旅行プランが崩れるのが嫌な方は一度高速を降りてしまった方がよいですし、なおかつCHAdeMOビジターは30分2,310円ですので1kWhあたり約105円となりテスラスーパーチャージャーは約80円です。
よってお金に細かい方は一度降りた高速料金とCHAdeMOビジターの場合は計算しないといけません。CHAdeMOアダプターが壊れた場合も同様です。

どこかのYouTubeでの検証ではCHAdeMOアダプターが壊れていない前提となりますが、CHAdeMOビジター料金でも高速降りてスーパーチャージャーで充電しても20~30分ぐらいしか変わらなくスーパーチャージャで充電したときよりも総合的に料金が安いとのことで、CHAdeMOアダプターが壊れていなければ東京-神戸ぐらいならビジターで充電したほうがよいみたいです。
※ビジター充電金額は見直しがありますので正確ではないかもしれません。

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テスラ車は思ったほど先進性はない

テスラを買って最初に思ったのが、結構他社でついている装備がテスラにはないことがあります。

実際乗ってみて正直それほど先進性はありません。オートパイロットは低速時でも一切手放しは出来ません。通常の高速道路や高規格道路では大変便利ですが、首都高や信号が多い下道、コーナーが多い道ではほぼ使い物になりません。
停止からの発進も急加速ですし、前の車が信号待ちしていてそれに追いついたときのブレーキは遅く同乗者に「ブレーキ!」と言われるほどで自分以外の同乗者がいるときはオートパイロットは下道では使いたくありませんというか怖いので一人でもあまり使いません。
しかしテスラのオートパイロットはあまりに狭い道でなければどこでもONできますし気象が悪くてもONできます。雪は流石に白線が見えないので使えませんが。

オートパイロットとFSDは全くの別物です。テスラはFSDが魅力であり、CHAdeMO充電中に質問されるテスラに興味がある方はオートパイロットとFSDを勘違いして混同している方が多いですのでよくよく調べたほうが良いです。

FSD(執筆時871,000円)はオプションになりますが日本ではほぼその恩恵が受けれませんので購入すると言うことはテスラの応援みたいなものです。また、FSDの廉価版EAP(執筆時436,000円)もありますが正直他社ではこんな金額を払わなくてもできます。

なにするにも遅い日本でFSDなんてそもそも許可が出るのかさえ疑問で、テスラはFSDに注力を注いでいるんだと思いますが、そうなると今以上のオートパイロットの進化は望みがないのではないかと私は思っています。進化しても低速域で手放しできる程度かと。新型車はそれに近いことはできるようですが。

オートパイロットを3年前と比較しても多少はよくなったのかもしれませんが、それは感覚的に感じるものであって激的に良くなったとは思えません。と言うことは3年前とたいして変わっていないということです。

あとはよく言われるワイパーですね。20年前の国産車よりも使えません。下手したら30年前のワイパーよりも使えないかもしれません。雨の日は結局手動でワイパーを動かすことになるので運転がちょっと忙しくなります。

一つ前のモデルでさえも新型と比べて、もうできないことがあります。OTAでいつでも最新型になると思っている方がこれまた質問で多いですが、ハードが変わらないので最新のモデルと比べたらできないことがあります。OTAがあるからと言ってもそこそこで他車で当たり前のように装着されているのが後から追加になることもあるだけで激的な機能の進化はありませんでした。UIは結構変わり楽しいです。

リセールに関して、車検前に一度一括査定で複数の業者に査定していただきましたが、詳しくは言いませんが査定額は購入時の1/2以下でした。また、もしここで売るとなったら4年たっていないので補助金の返金をしなければなりません。それを考慮すると購入時の1/3以下になるのではないのでしょうか。実際今までの乗った車で一番リセールが悪い車です。

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テスラ車はこんな方におすすめ

自宅充電は必須として、現時点で

  • 旅行、仕事がスーパーチャージャー、Flashがある箇所に限定してもストレスがない方(CHAdeMOアダプターが故障する前提)
  • 行く場所が一定している方(毎度の充電プランを考えなくて良い)
  • 急な用事があまりない方
  • どこでも車精神がない方
  • 時間がある方(充電時間や充電するために遠回りすることがあるため)
  • 自宅近くにスーパーチャージャー、Flashがある方(急な用事のときのため)
  • 節約志向がない方(結局総合的に考えると節約には向かない)
  • 未来を感じたい方、UIが気に入った方

と思います。

気をつけたいのはCHAdeMOアダプターは壊れやすいことを考えるとCHAdeMOがあるからこの場所に行こうとはなりません。一旦高温エラーが出てしまったらテスラで行ける場所も限られます。現地にスーパーチャージャーがあるならばよいのですが、充電時間、場所の制限等考えたらPHEVを買った方が幸せになるかもしれません。

オイル交換、バッテリー交換等ないから維持費が安いと言われている方もいますが実際は板金や修理、任意保険は高額、高速を降りなければならない、CHAdeMOアダプターの故障、リセールなど考慮するとそれほど運用コストはPHEVと変わらないかもしれません。場合によってはPHEVのほうが車種によっては総合的に安くなるかもしれません。

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バッテリー残量ギリギリの運用はやめたほうがいい

バッテリーギリギリの運用はできる限り控えたほうが良いかと思います。それは急な用事というのは仕事や親族の不幸でありそれは急に訪れます。旅行や仕事などで帰るときにギリギリで到着して自宅で充電すればよいなどと安易に考えていますと本当に行かなければならないのにそれに遅れてしまうと言う最悪なことが起こりえます。

ガソリン車ですとお住まいの地域によりますがスタンドはたくさんありますので到着すれば数分で給油できますが、テスラですとスーパーチャージャーまで行く時間と充電時間を考えなければなりません。

もしガソリンスタンドが閉まっていても違うスタンドがある。スーパーチャージャーがすべて利用不能になったと聞いたことは一度しかありませんが、違うスーパーチャージャーまで行く時間を考えればガソリン車には勝てません。

よって家に到着するバッテリー量は例えば充電しなくても実家や会社、最悪家から一番近いスーパーチャージャーにいつでも行ける量ぐらいは到着時にあると安心できます。これは体験しないとなかなか分からないものですが、私自身そのような実体験がありますので質問される方には必ず言うことです。

急ぎでCHAdeMOで充電は考えられません。CHAdeMOアダプターもそういうときに限って壊れたりCHAdeMO自体は1基しか設置していないところが多くバッティングや故障していたなんてしたら絶望です。

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まとめ

テスラ車が日本で今後求められるのはスーパーチャージャーの設置箇所を増やす、もしくは日本がCHAdeMOをやめて他のタイプに転換するなどいろいろなことが起こらなければ今後も条件が揃った方だけが購入するということになります。

CHAdeMOは各地にはありますが、なんせ一箇所あたりの台数が高速道路以外基本的に少ないです。テスラスーパーチャージャーは高速道路にそもそもないですし縦に長い日本ですが韓国よりも設置台数が少ないです。こういうところを見るとテスラOTAの内容も日本は省かれることが多く(規制が多いから?)積極的ではないことが伺えます。

最後に、私のような場面、乗り方に遭遇する方はあまりいないかと思います。私はこれからもテスラ モデル3を乗っていきますが、正直もう1台ガソリン車がないと不便だなと思うことが多々あります。そしてモデルS、モデルXが日本では撤退し、日本の経済状況、イーロン・マスクの性格などを考えるとモデル3やモデルYが撤退しないとも限りません。安い買い物ではないですのでテスラ車を買うときにはよくよく考えてから購入してください。

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